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「生成のヴィジュアル」 TSCA柏

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TSCA柏
「生成のヴィジュアルー触発のつらなり」
10/19-12/1



TSCA柏で開催中の「生成のヴィジュアルー触発のつらなり」展を見てきました。

千葉県は柏駅より南へ向かうこと約10分。郊外ならではの広々としたスペースを展開する「TSCA柏」こと「タクロウソメヤコンテンポラリーアート柏」。

そこで今、TSCA柏としては数年ぶりとなるグループ展が開催されています。

[出展作家]
淺井裕介
大山エンリコイサム
村山悟郎

出展は3名。いずれも「描く」という技法をとりながらも、コンセプトにモチーフ、そして表現において異なった志向をとる作家です。まさに三者三様。それぞれに対峙し、またせめぎあう瞬間。スリリングな展示が繰り広げられていました。

さてタイトルならぬいずれも圧倒的なヴィジュアルをとる作品。その迫力は私の拙い写真では殆ど伝わりませんが、少し展示の様子をご紹介したいと思います。

まずは淺井裕介。土や粉の他、泥や白線などを素材に壁画的なドローイングを展開するアーティスト。関東では昨年のあざみ野コンテンポラリーにも出展がありました。



その際は主にカッティングの展示でしたが、今回は言わば泥絵です。泥も駆使して描かれたのは壁面を縦横無尽に闊歩する不思議な生き物たち。曲線と円形を多用したモチーフはリズムも刻む。可愛らしくも生き生きとした画面。1階から2階部分までイメージが行き渡ります。



それにしても縦横何メートルあるのでしょうか。私自身、淺井のこれほど大きな壁画を見たのが初めて。打ちのめされました。



そして振り返ってみれば大山エンリコイサム。グラフィカルなペインティングです。見ていると今にもモチーフが飛び出してぶつかるような錯覚も。一目で焼き付くような激しいイメージ。さながら巨大な磁石同士がガツンガツンと音を立てて結合しているかのようです。



一方で村山はどうでしょうか。上にあげた写真は刺繍的な作品ですが、一階スペースではペインティングも。これが麻紐の作品と同様、一定の法則に基づいて作られているのです。どことなく軽やかな浮遊感。淺井と大山とは一線を画します。



さてTSCAは2フロア。1階の吹き抜けに続き、2階部分でもご覧の通りに展示が。こちらも見応えがあります。

全てを埋め尽くさんとばかりに生成し増殖、そして反復するモチーフ。いまだかつてないほどに濃密なTSCAの空間がありました。

それにしても三者の表現、確かに「描いている」のかもしれませんが、当然ながらその一言で括ることが出来ないのも重要なところ。例えば淺井は泥を盛るように塗る。また村山は支持体そのものを編み込む。そして大山こそ「平面」ながらも、モチーフはさながら巨大なブロックが複雑に組み合わされたような重厚感がある。平面、描く。しかしながら内実は驚くほどに多様です。

最後にアクセスの情報です。はじめにも触れましたが、JR常磐線の柏駅南口から徒歩で10分程。駅から旧水戸街道に出て南下、しばらく歩くと右手に見えるローソンの前を左折して入った右側。倉庫のような茶色の建物です。周囲は完全な住宅地。土地勘がないと辿り着けないかもしれません。地図アプリなどを参照されることをおすすめします。

ちなみに同じく常磐線沿いの松戸に大山エンリコイサムの作品があるのをご存知でしょうか。その名は「MADウォール」。松戸駅西口の陸橋の道路壁に描かれたパブリックアートです。

「MADウォール」 松戸駅西口6号バイパス(岩瀬立体)側壁

何度か拝見しましたが、かなりの迫力。常磐線の快速に乗れば柏と松戸は1駅。10分です。こちらとあわせて見ても良いかもしれません。

出展作家の村山悟郎(@goromurayama)さんがツイッターで展示の情報などを逐次つぶやいておられます。要チェックです。



会期も残り僅かになりました。本日より最終日の日曜まで無休です。

12月1日まで開催されています。

「生成のヴィジュアルー触発のつらなり」 タクロウソメヤコンテンポラリーアート(TSCA)柏@TSCATokyo
会期:10月19日(土)〜12月1日(日)
休廊:月、火、水曜日。*開廊日は木〜日曜、及び祝日。
時間:11:00〜18:00
住所:千葉県柏市若葉町3-3
交通:JR常磐線、東武野田線柏駅南口より徒歩約10分。

*写真は全て「生成のヴィジュアル」展会場風景。

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